わかつきひかるさんはマーケティングの女王
やたらKindle Unlimitedがおすすめしてくるので、わかつきひかるさんの本を何冊か読んだのですが…
見事にハマってしまいました!
彼女は小説家なのですが、私がハマったのは彼女のハウツー本の方です。
なんていうか、彼女はマーケティングの女王ですね。
市場を分析し、それにマッチした商品を売れば、必ず売れると言っている。
小説家という仕事に興味がある読者層が一定数おり、それをKindle Unlimitedというところにもおろしている。
Kindle Unlimitedに本を置くのを嫌がる作家さんもいらっしゃるとのことですが、「小説家さんが普段何を考えいるかお金を払ってでも知りたい」、という人だけでなく、「Kindle Unlimitedに入っているから、定額なら読んじゃおう」という層も取り込んでいるわけです。
そして、確かな文章力と内容の面白さで、私のようにホイホイと釣られて彼女の類似の本がないか探して読んでしまう新たな読者層をゲットしてしまうんですね。
「映画館で観るほど興味を持てない映画だったけど、地上波やサブスクサービスでせっかくだから観てみたら面白かったので、シリーズ次回作は映画館で観ることにした」
っていう流れに似ています。
わかつきひかるさんは、小説の書き方を理論立てて説明しているのですが、本当にすごいところは「これさえ守れば、できます」と読者をしっかり説得してくるところです。
読んでいると「本当にできるかも?」という気持ちになってくるのです。
断捨離やダイエット、ビジネス本など、今まで色々なスキルのハウツー本、自己啓発本を読んできました。
ですが、この説得のうまさ、プレゼンのうまさはさすが小説家と言ったところです。わかつきひかるさんは企画を持ち込む営業みたいなこともやるみたいなので、余計に人に可能性を信じさせるうまさを感じました。
世の中のビジネス書、自己啓発本、ハウツー本は、掃除、ダイエット、ビジネスのスペシャリストが書いているじゃないですか。
彼らも素晴らしいですが、「ビジネスのわかりやすさ」に特化しています。
簡潔で、どこを読んだら最短で欲しい情報がとれて、読み返しやすい。誰が読んでも同じ意味にとれる、確かな数字の根拠とグラフつき、こんな会議資料があったらサイコー!というわかりやすさです。読者ももともとそのスキルに興味があるので、余計な情報は最低限でいい。
そういう「わかりやすい資料」なので、途中で「これは私にはできないだろうけど、実行力と熱意のあるスペシャリストはこうやっているんだ」という気持ちになることもあります。
自分の性質、熱意、求める難易度にフィットして初めて、実行できるし読み返しやすい「よく業務に使う、読み返す資料」のポジションになるのです。
わかつきひかるさんは普段から人を楽しませ、スッキリさせる趣旨の本を書くスキルを持っているお方です。
ハウツー本なのに娯楽として、しっかり成立しています。サラサラ読み進められてしまう娯楽のわかりやすさも兼ね備えているわけです。
なので最初から読んだときの引き込まれ方は、途中の気になるところだけを読む何倍にもなっています。
普通のビジネス書は、事前準備や取得スキルの順番で章が並んでいるので、下地のある読者は章の途中から読んでも全く遜色ないのです。
でも、小説だったら、途中のクライマックスから読んでも、人間関係や舞台設定がわからないから、そこに書いてある事実だけ読んでもあんまり面白くないですよね。
若槻ひかるさんの本は、小説のような盛り上がりがちゃんとある気がするんですよね。
もちろん、ハウツー本なので、途中欲しいスキルの章だけを読んでもふつうにわかりやすいし面白いです。
でも、最初から読んでいくと、小説のストーリーが進んでいくみたいにどんどん引き込まれていく感じがあるんですよね。
ビジネス書の書きぶりなのに。
その上で「こういうことを行えば、成功できる」と説得してくるので、敏腕営業マンのトークを最初興味を引かせるところからしっかり踏んだような感覚になって「できるかも!いいかも!」と明るい未来を頭に描いてしまうのです。
実行するか否かは置いておいて、ビジネス書でたまにある、途中で冷めるということがありません。
すごい面白いのでおすすめですね。
勝間和代さんの本も、ビジネス書っぽくなくて、彼女の経験や人柄みたいなものが面白くて読んでいってしまうので、私は単にスキルや知識をつけるだけの本より文章自体に面白さがあると弱いのかもしれないです。